今回の第32回読売書法展には調和体作品を出品しました。
調和体というのは、主に漢字の行書とひらがなを用いで表現します。(漢字の草書体や変体仮名等を用いない。)
読みやすいので、書を習っていない方にも親しんでもらえます。
ただ、読みやすいというだけでは書芸術ではないわけで、芸術としての要素をいかに盛り込むかが創意工夫のしどころです。
今回は、連綿(文字をつなげて書くこと)や行の流れ等、仮名の特徴を生かした表現を意識しました。
古典、古筆を基調とした伝統的な漢字、仮名作品はもちろん今後も継承していかなければなりませんが、書の裾野を広げ、さらなる普及、発展をめざすた めには、調和体のように読みやすく親しみやすい作品づくりも研究していかなければなりません。